お役立ちコラム

年収300万円で住宅ローンは利用できる?返済可能額の求め方や2,500万円を借り入れる注意点

国土交通省が公表した「住宅市場動向調査報告書(令和3年度)」によると、新築の注文住宅を購入された方の84.1%が、住宅ローンを利用しています。

住宅ローンの融資額は、主に年収に応じて決まりますが、年収300万円の方だといくらまで借りられるのでしょうか。
そもそも、年収300万円でも住宅ローンは利用できるのでしょうか。

ここでは、年収から返済可能額を求める方法や、一例として2,500万円の住宅ローンを借り入れるときの返済プランについてお伝えします。

※参考:国土交通省住宅局「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001477550.pdf

年収300万円でも住宅ローンの利用は可能

住宅ローンの利用に関して、年収の制限を公表している金融機関はほぼありません。
ただ、メガバンクを含め多くの銀行では、年収300万円以上の方を目安に融資しているといわれます。
中には、年収200万円台でも融資可能な金融機関もあるようです。

そのため、年収300万円の方でも借り入れるは可能ですし、実際に住宅ローンを利用してマイホームを購入された方は、多くいらっしゃいます。

とはいえ、年収が少ないと借り入れできる融資額も少なくなり、購入できる物件が限られてしまいます。
今の年収で返済可能額がいくらになるのか知ることで、物件を選びやすくなりますし、金融機関の審査にも通りやすくなるでしょう。

年収300万円の返済可能額をシミュレーション

では、年収300万円の方が借り入れできる住宅ローンの返済可能額の目安はいくらなのでしょうか。

ここで、シミュレーションをしてみます。

住宅ローンの返済可能額を求める際に必要な項目は、年収のほかにも「返済方法」「返済期間」「金利」「返済負担率」などがあります。
ここでは、以下の条件で返済可能額を求めてみます。

・返済方法:元利均等
・返済期間:35年
・金利:1.5%(全期間固定)
・返済負担率:25%

この条件で、年収300万円の返済可能額と毎月の返済額を求めると、以下の通りです。

●年収300万円の返済可能額と毎月の返済額
・返済可能額:2,041万円
・毎月の返済額:62,492円

参考:住宅保証機構「住宅ローンシミュレーション」
https://loan.mamoris.jp/index.html

年収300万円でも、約2,000万円の融資を受けることが可能です。

手取り額から返済可能額を考える

ただ、年収から税金や保険料といった必要経費を差し引くと、手取り給与から毎月6万円以上を返済するのが辛く感じる方もいらっしゃるでしょう。

ここで、年収300万円の方が納める税金や保険料を仮に50万円として、残り250万円で返済可能額を求めてみます。
返済方法や期間などの借り入れ条件は、先ほどと同じとします。

●手取り250万円の返済可能額と毎月の返済額
・返済可能額:1,701万円
・毎月の返済額:5万2,081円

参考:住宅保証機構「住宅ローンシミュレーション」
https://loan.mamoris.jp/index.html

融資額は300万円以上も少なくなりますが、毎月の返済額は約1万円安くなり、家計に余裕が生まれるでしょう。

2,500万円の住宅ローンの返済額はいくら?

住宅ローンの返済額には、金利負担も含まれます。
借入額は2,500万円でも、返済額はそれ以上になりますから、トータルでいくら返済すれば良いのかを知っておくことも大切です。

ここで、2,500万円の住宅ローンを借り入れたときの返済額をシミュレーションしてみます。
借り入れの条件はこれまでと同じで、返済方法は元利均等方式、返済期間は35年、金利は全期間固定で1.5%です。

参考:住宅保証機構「住宅ローンシミュレーション」
https://loan.mamoris.jp/index.html

2,500万円を借り入れたときの金利負担は約715万円にもなり、毎月の返済額は7万6,000円以上になります。

年収300万円(手取り250万円)の方が毎月もらえる給与は、単純に12ヵ月で割れば20万円くらい。
ボーナス込みで年収300万円なら、17~18万円くらいでしょう。
ここから住宅ローンの返済に毎月7万6,000円を充てると、手元に残る額は10万円前後しかありません。

これから給与が増える見込みのある方であれば、2,500万円の住宅ローンを借り入れても心配ないかもしれませんが、現実的には厳しいと感じる方の方が多いのではないでしょうか。

年収300万円で2,500万円の住宅ローンを利用する方法

上記でお伝えしたように、年収300万円の方が2,500万円の住宅ローンを借り入れるのはリスクが大きいといえます。

ただし、一人で契約するのではなく、夫婦や親子など二人で借り入れる場合、2,500万円を借り入れできる可能性があります。
具体的な方法として、「ペアローン」や「収入合算タイプの住宅ローン」を利用すれば、返済可能額を増やせます。

ペアローンを利用する

ペアローンとは、共働きの夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを契約して、一軒のマイホームを購入できる住宅ローン商品です。

たとえば、夫の年収が300万円、妻の年収が200万円の夫婦の場合、併せて500万円で借り入れできる住宅ローンの融資額が受けられます。
年収500万円の返済可能額は3,000万円を超えますから、2,500万円なら十分に借り入れ可能でしょう。

また、住宅ローン控除も夫婦二人で受けられるため、節税効果も期待できます。

収入合算タイプの住宅ローンを利用する

収入合算タイプの住宅ローンとは、夫婦二人の収入をあわせて申し込める住宅ローンの契約方法です。

ペアローンと同じく返済可能額を増やせることが、利用するメリット。
契約は一本ですから、ペアローンよりも初期費用を抑えられるというメリットもあります。

収入合算タイプの住宅ローンには、大きく「連帯債務型」と「連帯保証型」に分かれます。
連帯債務型は、夫婦二人とも債権者(返済義務がある人)となり、二人とも住宅ローン控除が受けられます。
一方の連帯保証型は、連帯保証人に返済義務は基本的にはありませんが、契約者が返済を滞った場合には返済義務が生じます。
なお、連帯保証人には住宅ローン控除が適用されません。

ペアローンや収入合算タイプを利用するときの注意点

ペアローンや収入合算タイプの住宅ローンを利用すれば、融資額を増やせるというメリットがあります。
ただし、これらの商品を利用するには「二人とも収入があり続けること」が大前提です。

たとえば、妻が産休や育休で収入がなくなったら、夫が妻の返済分をカバーしなければなりません。
病気やケガなどで夫の収入がなくなった場合でも、同じです。
どちらかの収入がなくなっても返済が滞らないよう、貯蓄を多くするなどの綿密な資金計画が求められます。

このほか、家や土地の所有権についても注意が必要です。
ペアローンと連帯債務型の住宅ローンを契約すると、夫婦二人で所有権を分け合うかたちになります。
ここで知っておきたいのが、家を売却するときは二人の同意が必要だということ。
売却の理由が離婚の場合は、トラブルが生じやすいので、あらかじめ夫婦で確認しておくことが大切です。

借入額が増えると税金や保険料も高くなる

住宅ローンの借入額を増やし、ワンランク上のマイホームを手に入れると、納める税金や保険料が高くなることも、あらかじめ知っておきたいポイントです。

持ち家に生じる税金には、固定資産税や都市計画税などがありますが、これらは住宅の評価額(固定資産税評価額)に応じて税額が決まります。
つまり、高い家を購入すると毎年納める固定資産税なども高くなるということです。

また、火災保険や地震保険などの保険料も、建築面積や建物の構造などに応じて決まります。
広い家や木造建築だと保険料が結構な額になることがありますので、注意が必要です。

返済計画を立てる際には、ローン返済額だけでなく、税金や保険料といったランニングコストを含めて考えましょう。

借入額を減らすことも検討しよう

無理のない返済プランを立てるには、住宅ローンの借入額を減らすことも検討したいポイントです。
借入額が少なくなれば利息負担も抑えられますから、返済が始まってからの家計にゆとりが生じやすくなります。

住宅ローンの借入額を減らす具体的な方法として、次のことが考えられます。

頭金を増やす

自己資金(頭金)を増やすことで、住宅ローンの借入額を抑えられます。
一般的に、頭金は物件価格の2割くらいが目安といわれます。
2,500万円の家を購入するなら、500万円くらいが頭金の目安です。

頭金が多いと、金融機関から「計画性のある人物」と信頼性が高まり、住宅ローンの審査も有利といわれますから、貯蓄を増やしてから家づくりを検討するのも一手でしょう。

親に援助を求める

自己資金で賄えないのであれば、親に援助を求めるという方法もあります。
ただ、そのときに注意したいのが「贈与税」が課せられる可能性です。

贈与税には、家の購入が目的の場合には非課税額を高く設定できる特例がありますが、一般的な住宅の場合は500万円、耐震や省エネ性能に優れた住宅の場合は1,000万円を超えると、贈与税が課せられる可能性がありますので、注意が必要です。

まとめ

年収300万円の方でも、2,500万円の住宅ローンを借り入れできるチャンスはあります。

ただ、借りたお金は金利負担分を足して返さなければなりません。
無理な返済プランにならないよう、借入額は十分に検討することが大切です。

できれば、頭金を増やして借入額を減らした方が返済計画にゆとりが生じますので、コツコツと貯蓄をするか親に援助してもらうなど、自己資金を増やす方法を検討してはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

坂本 祐弥
株式会社坂本組の坂本 祐弥です。
私たち坂本組は、伊勢原地域を中心に、地域への貢献と家づくりを通じて、お客様に末長く愛していただけるような住まいを提供しています。
私たちの強みは地域密着であり、伊勢原市を中心にスタートし、地域の皆様との深いつながりを大切にしています。
また、お客様の立場に立った仕事を心がけ、お客様一人ひとりの心に残る「感動」「満足」を提供し続けることを目指しています。

私たちの事業内容は、注文住宅を中心に、住宅の建築や不動産取引を行っています。
そして、それだけでなく、私たちの技術力は長年に渡り培われてきたものであり、高い品質を保つために、安心・安全のための施策やアフターケアにも力を入れています。
さらに、新時代の施工技術として「システム建築」を取り入れており、これにより生産効率の向上を図りながら、低価格、高品質、短工期の住まいを提供しています。

坂本組は、お客様の期待を大きく上回るサービスを提供し、感動を実感していただくことを目指しています。私たちの仕事の原点は、お客様の立場に立ち、お客様の声に耳を傾け、どうしたらお客様の笑顔を見られるのかを常に考えています。
そのために、お客様が何を求めているのかを感じ取る力や、変化に柔軟に対応できる発想力を持つスタッフが多数在籍しています。

最後に、私、坂本 祐弥としても、お客様との信頼関係を大切にし、一緒に最高の住まいを作り上げることを心から楽しみにしています。どうぞ、株式会社坂本組とともに、新しい住まいづくりの旅を始めてください。

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