坂本組ブログ

太陽光発電

1月も もう20日が過ぎました。
20日は”大寒” 一年で最も寒い時期です。
如何お過ごしですか? 建築 松本です。

日本のエネルギー事情
 そもそも、太陽光発電について説明する前に、エネルギーにおいて 日本が
世界と比較して どのような体質であるかを説明します。

 まず 一つめに 日本は電力自給率が大変低い国です。
エネルギー資源に乏しく発電するための 石油、石炭 天然ガスのほとんどを
輸入に頼っています。
2019年度の日本のエネルギー自給率は12.1% OECD(経済協力開発機構)諸国
36か国中 35位と 他の先進国とも比べても非常に低い水準です。
もう一つ 日本は島国であるために 電力の融通がききません。

ヨーロッパをはじめとした 陸続きの国々では、電線を張り巡らせて
国家間で電力を売買することが、可能です。
電気が足りない時には、隣国から購入し、余ったら売る。
 そんな電気のやり取りができると、電気は安定し 天候に左右される
再生可能エネルギーへの移行も スムーズにいきます。

 ところが、日本は、島国であるために そもそも隣国と電線でつながる
ことが出来ません。電力のもととなる 化石燃料を海外から輸入して
生産しているため 供給の見通しがきかず 再生可能エネルギーへの移行も
国内電力の安定供給を守りながら 行わなくてはならないため
大変時間がかかります。

 ここまで 説明すると、日本がエネルギーに対して非常に弱い国である
という 印象を受けるでしょう。

 ただ 日本は エネルギー「利用効率」においては、世界でも
大変優れた成績を収めています。
 日本の実質GDP 当たりのエネルギー消費は、インド、中国 の1/5~1/4
程度の少なさであり、省エネが進んでいる欧州の主要国と比較しても
遜色ない水準です。
現在の我が国の エネルギー利用効率が 高いことが分かります。
 日本は、温室効果ガスの排出量では、中国、アメリカ、インド、ロシア に
次いで世界第5位の排出国でもあります。
今後 日本は、得意のエネルギー効率や 技術開発を武器に さらに再生可能
エネルギーを取り入れて、脱炭素社会に向かうことが期待されます。

太陽光発電

 太陽光発電とは、太陽光から直接電気を作る 太陽電池を利用した発電方式
のことです。
太陽光発電と言えば 以前は産業用が主流でしたが、昨今では家庭用も
普及しつつあります。
 近年は 住宅着工件数が減少傾向にあるため 家庭用は少し停滞している
ものの 代表的な再生可能エネルギー であることから
今後も広く活用されることが、期待されます。

 普段私たちが使っている電気は、電力会社から送電される「交流電力」と
いう電力を用いています。
一方で、太陽光発電で発電した電気は「直流電力」と呼ばれ そのまま家庭で
使用することが出来ません。よって、パワーコンディショナーで「直流電力」から
「交流電力」へと変換する必要があります。

 なお、気になる太陽光発電の発電量ですが、太陽光発電協会(JPEA)
によれば、設置容量1kw当たり 年間で約1,000kwh*の発電が出来ると
されています。
 *ソラーパネルを水平に対して 30度傾け 真南に向けて設置した
  場合の計算例。
地域や ソーラーパネルの方位、傾斜角度、経年等の諸条件により
発電量は変わります。

 一般家庭の1か月の電気使用量は? (世帯別電気使用量の平均)
        一戸建て(kwh/月)   集合住宅(kwh/月)
1人暮らし      219          186
2人暮らし      386          313
3人暮らし      436          316

 2019年に日本生活協同組合連合会が発表した 「電気・ガス料金調査」
によれば、戸建ての1か月の電気代の平均額は 8,546円 集合住宅 6,477円。

 「電気料金単価」とは 1時間当たりにかかる電気料金の目安のこと。
2022年7月22日より 公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会は、
31円に引き上げました。(以前は27円/kwh)
今後 電気代を計算する際には、31円/kwh を電気料金単価として 
用いる必要があります。
 FIT買取単価 東京電力 8.5円/kwh (2024年3月まで)
  (国の制度としての固定価格買取期間 10年で終了)

 太陽光発電の固定買取金額の推移 (10kw未満)
2012年  42円/kwh     2018年  26円/kwh
2013年  38円/kwh     2019年  24円/kwh
2014年  37円/kwh     2020年  21円/kwh
2015年  33円/kwh     2021年  19円/kwh
2016年  31円/kwh     2022年  17円/kwh
2017年  28円/kwh     2023年  16円/kwh

 2012年のFIT制度開始以降 固定買取価格は年々下落しています。
10kwh未満設備(家庭用太陽光発電)は、設備規模が小さくなることから
10kwh以上50kwh の区分と比較して 買取価格が高くなります。

 しかし、2021年には 発電区分10kwh未満で 42円/kwh の買取価格で
あったものが、2023年には16円/kwh になっています。
11年で差額は 26円/kwh にもなります。

 近年 太陽光発電設備で作った電気を売るのではなく、自宅や工場で
消費する 「自家消費」 として 利用される方が増えています。

太陽光発電のメリット
① 環境に優しい

 日本の発電事業におけるエネルギー源のうち 火力発電が一定の比重を
占めています。火力発電は化石燃料を燃やすことで発電していますが、
地球温暖化の原因となるCO2 など温室効果ガスが発生することが
課題とされています。
 一方 太陽光発電は、発電の際にCO2を排出することは ありません。
また、燃料枯渇の心配もなく 繰り返し発電できることから
クリーンなエネルギーです。
家庭に太陽光発電を導入することで、CO2削減にも 取り組めます。

② 収入が得られる

 太陽光発電システムで発電した電気は、自宅での使用はもちろん
電力会社への売却が可能です。
売電価格は、一定期間固定されており 太陽光発電を売却する仕組みのことを
「固定価格買取制度(FIT)」と 呼びます。
売却できる期間は、10kw未満:10年間。
 売電価格は、年度毎に見直され 1kwh当たりの価格は 年々少しづつ
下がってきています。
詳しくは 「経済産業省 環境エネルギー庁 : FIT FIP 制度」参照

③ 災害に役立つ 

 万が一 地震や火災 洪水などの被害で電気の供給が止まってしまった
場合でも 自立運転機能を持った太陽光発電システム であれば
電気を使えます。
 また、太陽光発電 と 蓄電池 をセットで利用することで
太陽光発電で作り出した電力を 蓄電池に貯めておくことが できます。

太陽光発電のデメリット
① 導入コストがかかる
  太陽光発電の導入にあたっては、ソーラーパネル や 
 パワーコンディショナー などの設備が必要になることから
 一定の費用がかかります。
 設置にあたって 足場が必要となれば その分もプラスでかかります。
② 天候や季節によって影響を受ける
  太陽光発電は、天候や季節などによる日照量の変化に
 影響を受けます。昨今は ソーラーパネルの性能が上がっているとはいえ
 雨の日が多い梅雨の時期や 日照時間が短い冬場は 発電量が落ちて
 しまいます。
③ メンテナンス費用がかかる
 太陽光発電の定期点検では、主に ソーラーパネル
 パワーコンディショナー といった周辺機器の点検をはじめ
 電圧測定、絶縁抵抗測定 などの数値測定を行います。
  ソーラーパネルは、主に屋根や屋上に設置するため 砂埃、鳥の糞 花粉
 などが表面に付着してしまうことも少なくありません。そのような時は
 自分でせずに、専門業者に洗浄を依頼したほうが 良いでしょう
   (自分で洗浄することは、高所なので危険です。)

導入する際の注意点

① 日射量が確保できる場所か
  ・屋根が北向きでないか
  ・屋根が小さくないか
  ・周囲に高い建物や木が茂っていないか
  ・塩害や積雪の多い地域でないか
② 発電に適した屋根の形状・材質であるか
   昔ながらの入母屋屋根
  入母屋屋根 とは、寄棟屋根の上に 切り妻屋根形式の小型屋根 を載せた
 形状のことです。いわゆる昔ながらの伝統的な屋根で 瓦が設置されています。
 あまり いい状況とは言えません。
 複雑かつ二重構造の屋根で パネルの設置が難しいためです。
   屋根材に限らず 注意すべきポイントは、太陽光パネルが設置された面の
 腐食や劣化です。雨漏りのリスクにつながります。

”オヤジの呟き” です。
 コロナ禍でのいろいろな制限が解除され、正月休みの帰省や海外旅行
をする 公共交通機関の利用客は コロナ禍以前の水準に ようやく戻った。
との報道があり 皆がやっと やれやれ との気持ちになっていた矢先
日本列島を震撼させる 能登半島震災 と 羽田空港飛行機事故。
正月気分は 吹っ飛んでしまいました。

 能登半島の地震 第一報の報道では誰しも こんなにも大きな被害が出ている
とは、思いもよらなかったし、羽田空港の事故も、2日夕方のニュースで
旅客機のエンジン付近から出火している映像が、テレビに流れ、
駆け付けた消防隊がすぐに消火すると 思っていました。しかし、
時間の経過とともに、事の重大性に改めて再認識をし、目を疑いました。
こんなにも たくさんの方々が被害にあわれ
「明けましておめでとう。」とは、とても言えない雰囲気に変わりました。

 能登半島震災の被災者の方は、この寒い時期 家を失い、ライフラインも途絶え
大変な不自由な生活を強いられ 「何か元気付けられるように 力になれないもの
だろうか。」 皆が思いました。

 全国各地の自治体は、消防・警察の他 医療チームや市役所スタッフ も
被災地に送り込んでいます。
コンビニ大手3社 セブンイレブンファミリーマートローソンは、避難所へ支援物資を届けています。
外食産業 すきや は、無償で牛丼配っています。
衣料品の製造・小売りの ユニクロ は、防寒着を配っています。

 被災地を「食べて応援」する動きが広がっています。都内にある能登の牛肉
を扱う飲食店には、”少しでも力になれば” と、訪れる人たちが増えているそうです。
 また、JR品川駅には、石川県のアンテナショップ(16日まで)が出店。
初日には、約2,000人が来店。想定の2倍以上の人が訪れていると いうことです。

 新年早々の羽田空港で発生した衝突事故は、肉眼で捉えられる距離で
航空機の機体が燃え上がる衝撃的な映像として 世に広まりました。
人々の受けた衝撃は計り知れず、国内外から大きな注目を集めました。

 事故後 国民やマスメディアの関心は ヒートアップし、事故調査の
結果を待たずに各々が断片的な情報を元に、事故の真相を解明
しようとする様子が見受けられます。
 パイロットの勘違い、管制官の見落としがあったこと、ヒューマンエラー
の数々が連鎖していることが、わかってきました。
責任の所在の明確化 よりも 原因究明を優先し、そのためには
まず 当事者や関係者が安心して発言できる環境を整える事が、重要と思います。

 刑事責任と再発防止のどちらを優先するか
 過去に航空機事故で取材した 航空安全推進連絡会議
の役員によれば、「原因究明と再発防止のため 『刑事責任は問わないから
真実を語ってくれ』というのが 世界的動向」のようです。

 2001年に静岡県 焼津市沖の駿河湾上空で100人が負傷した 
日航機同士のニアミス事故 では、管制官2人が業務上過失傷害罪 で起訴され
最高裁で 禁錮1年~1年6か月、執行猶予3年の判決が確定しました。が、しかし
判事の1人は有罪に反対した上で 「本件のようなミスを問うと 
刑事責任の追及を恐れて ミスを隠蔽する委縮効果が生じ、安全性の向上を妨げる。」
と、主張しました。

 羽田空港は、滑走路4本で 90秒に1回 離発着が行われる 世界でも
トップクラスの超過密ダイヤ の空港です。
その上 5本め(E滑走路 3,000m)2030年代に運用開始目標で、
検討が始まりました。
 ちなみに 成田空港は、滑走路2本で運用され、3本め(滑走路 3,500m)
2029年完成予定。
成田空港が新たに開港されても、霧で閉鎖なりやすいこと、
都心から距離があること を理由に 要人を乗せた特別機や
特別なフライトは、羽田空港を利用します。
また、新規に日本乗り入れ 航空会社も羽田空港 離発着希望が多く
離発着枠をどんどん増やさざるを得ないのが 現状です。

今回も読んで下さりありがとうございます。

投稿者プロフィール

坂本組 広報担当
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株式会社坂本組の広報担当です。
私たちの強みは地域密着であり、伊勢原市を中心に地域の皆様とのつながりを大切にしています。
お仕事に関することから、地元のニュースや食べ物など日常のことまで、幅広く発信をしています。
みなさまに親しみを持っていただけるよう更新を続けておりますので、ぜひ他のブログもご一読いただけますと幸いです。

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